来年のケージ保護で使う果実を確保しました

秋には、様々な高山植物が果実をつけます。クロマメ(写真1)、コケモモ(写真2)、ガンコウラン(写真3)、シラタマノキ(写真4)などの果実です。これらは、ライチョウの秋の餌となります。乗鞍岳での9月の調査では、ライチョウの雄、雌、雛がついばんだ総回数のうち、それぞれ43.3%、58.7%、49.1%はこれらの果実でした

写真1 クロマメの果実
写真2 コケモモの果実

写真3 ガンコウランの果実
写真4 シラタマノキの果実

秋に実ったこれらの果実の中でもガンコウラン、コケモモ、クロマメの果実は、ケージ保護中にケージの中に用意する餌として特に重要です。そのため、秋の時期には次の年のケージ保護で使うこれらの果実の採集が毎年行われています。

 今年は、9月18日と10月7日に乗鞍岳でガンコウランの果実の採集、9月21日・22日に焼岳でクロマメの果実の採集、10月17日・18日に焼岳でコケモモの果実の採集(写真5)が行われました。この他に、9月26日から30日に動物園からの3羽を現地の環境に慣らすためのケージ内の餌として、中央アルプス中岳でガンコウランの果実の採集が行われ、その一部が残っています。これらにより、来年のケージ保護で使う必要量が確保できました。

写真5 10月18日、焼岳でのコケモモの実の採集

これらの果実は年により豊作の年と不作の年があり、今年はガンコウランとクロマメの果実は豊作でしたが、コケモモの果実は不作でした。

採集に協力いただきました方々にお礼申し上げます。