飛来雌の巣を発見(2023年度ケージ保護)

 6月28日から開始されるケージ保護に先立って、24日から26日の3日間、駒ケ岳から伊那前岳一帯の巣探しを行いました(写真1・2)。その結果、飛来雌の巣を含む計4巣を発見できました。4巣ともに抱卵中でした。

調査に協力いただいた宇賀神さん、市川さん、唐沢さん、大島さん、ありがとうございました。

写真1 駒ケ岳と頂上山荘。ここで今年もケージ保護が始まります。今年は雪がありません。
写真2 馬の背尾根からの宝剣岳。ここにも今年は残雪がわずかです。

飛来雌の巣は、昨年の巣の近くにあり、例年のように背の低いハイマツの縁にありました(写真3)。

写真3 発見された飛来雌の巣。ハイマツの縁で抱卵中でした。

卵数は、昨年同様6卵でした(写真4)。2019年には8卵、2020年と21年には7卵、昨年の2022年と今年は6卵と年々減少しています。この雌は今年9歳ですので、高齢によるものと考えられます。

写真4 飛来雌の巣と卵。雌が採食に出た折に撮影しました。

6月24日には将棋頭山で、26日には極楽平付近で雛ずれの家族が登山者により発見されています。これから6月末から7月初めにかけ、中央アルプスの多くのなわばりで雛が一斉に孵化することと思います。これからはライチョウの子育てシーズンとなります。

28日から開始される駒ケ岳でのケージ保護の様子については、昨年と同様に研究室のホームページで紹介させていただきますので、御覧いただけたらと思います。