2023年最後のライチョウ調査を実施しました

2023年10月25日~27日の3日間、中央アルプス駒ケ岳で今年最後のライチョウ調査を実施しました。

3日間とも秋晴れの天気でしたが、この間に計45羽のライチョウを確認できました。うち40羽はすでに足環つきの個体で、5羽は今年生まれた未標識の雛でした。

この時期の晴天の日は、夜明け前の30分間と日没前後の30分間餌を食べに出るのみで、日中はずっとハイマツの中で過ごし、外には出てきません。

写真1 秋羽から冬羽への換羽途中の成鳥雄

また、この時期は雪がまばらに積もっている尾根筋の岩場で群れで過ごしており、雪が溶け終わった開けた場所には出てきません。すでに、秋羽から冬羽への換羽がかなり進んでおり(写真1・2)、雪のない場所では目立ってしまうからです。

写真2 親から独立し秋群れに加わった今年生まれの若鳥雌

今年生まれた雛の多くは、すでに雌親から独立して、繁殖を終えた成鳥が集まった秋群れに加わっています。この時期は、年間で最も大きな群れが形成される時期で、今回の調査では、伊那前岳で11羽の秋群れを観察できました。

夕方に群れで採食する様子をビデオで撮影できましたので紹介いたします(動画1・2)。

動画1 晴れた日中は姿を見せず、日没後に採食に出てきた11羽の秋群れ
動画2 秋晴れの日は、一日2食。日没後に急いで採食中の3羽の雌

今回の調査で、2018年の飛来雌も無事であることが確認できました。この雌は、来年10歳になります。雌の最高齢ですので、この冬を無事乗り越え、来年も繁殖してくれるかどうか、大変気がかりです。