昨年に続いて2回目の野生復帰の試みが始まりました

 人の手で育てたライチョウを山に戻す技術の確立は、動物園での長いライチョウ飼育を通しての最終目標でした。

 今年は、昨年に続いて野生復帰技術の確立への挑戦が行われ、9月10日雛5羽と成鳥3羽を陸送し(写真1)、無事頂上山荘裏に設置したケージ(写真2)に収容できました(写真3)。

写真1 動物園で育てたライチョウを入れた段ボール運ぶ環境省信越事務所職員(環境省写真提供)。
2025年9月10日千畳敷 乗越浄土
写真2 木曽駒ヶ岳山頂近に設置された2つのケージ
写真3 無事ケージに収容された動物園育ちの雛5羽

10日の夜には頂上山荘で関係者とマスコミの方計30人ほどが泊り、陸送の成功をお祝いしました(写真4)。

 これからケージを使って、現地の気温、雨風等の環境に慣し、飼育の餌から高山植物の餌に慣らす試みが行われ、19日に放鳥されます。その後、22日からは2回目の陸送が行われ、同様に現地の環境に慣らした後、29日に放鳥される予定です。

 今後の課題は、野生復帰した個体が翌年まで何羽が生き残り繁殖するかの確認です。ケージ保護と合わせ動物園での野生復帰技術の確立は、日本のライチョウの絶滅を防ぐのに今後大きく貢献することが期待されます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です