乗鞍岳の2023年度2回目のライチョウ調査を実施

 2023年5月24日~26日の3日間、今年2回目の乗鞍岳のライチョウ調査を実施しました。乗鞍岳で長年にわたり実施しているなわばり分布と足環により標識した個体確認による繁殖数の調査です。

調査に同行いただいたのは、環境省信越事務所の上山さん、信大山岳部の学生河内晧亮さん、大竹優子さんの3名です(写真1)。

写真1 権現池から剣ヶ峰をバックに記念写真

調査した地域は、剣ヶ峰、大日岳、権現池の周辺と桔梗ヶ原、四ツ岳といった前回調査できなかった地域です。3日間で、雄18羽、雌14羽の計32羽のライチョウを観察できました。そのうち、4個付けた足環の一部が取れた雄3羽と雌1羽を捕獲し、新しい足環に付け替えました。また、足環のついていなかった雄1羽と雌1羽を捕獲し、足環を付けました(写真2)。

写真2 四ツ岳でそれまで標識個体がなわばりを持っていた場所に新たに住み着いた未標識のつがい

こうした地道な調査を長年乗鞍岳で続けることで、ライチョウの寿命、年間通しての死亡率や生存率、定住性やつがい関係の安定性など、ライチョウの保護に役立つ基礎資料を得ることができました。