孵化した飛来雌の雛6羽を無事ケージに収容しました

6月28日から中央アルプス駒ケ岳にケージ保護のため入山しました。

事前に見つけた巣を点検したところ、飛来雌の巣では27日に雛が無事孵化し(写真1)、翌28日の朝に巣立っていました(写真2)。

写真1 無事雛が孵化し、巣だった後に残された卵の殻。半分に割れた卵の殻は、雛が無事孵化したことを示しています。6月28日撮影
写真1 無事雛が孵化し、巣だった後に残された卵の殻。半分に割れた卵の殻は、雛が無事孵化したことを示しています。6月28日撮影
写真2 巣立ち後雌親に連れられて行動する雛たち。これから3ヶ月間、雌親のみで子育てが行われます。6月28日撮影
写真2 巣立ち後雌親に連れられて行動する雛たち。これから3ヶ月間、雌親のみで子育てが行われます。6月28日撮影

29日朝から飛来雌の家族の誘導を開始し、11時45分に頂上山荘裏のケージに収容しました(写真3)。雛は6羽とも元気です。

写真3 巣立ち後の翌日、ケージに収容された飛来雌の家族。6月29日撮影
写真3 巣立ち後の翌日、ケージに収容された飛来雌の家族。6月29日撮影

28、29日の両日共雨には降られませんでしたが時々日が差す天気でした。巣立ち後の家族の様子を29日にビデオ撮影をしましたので、その映像をお届けします。

冒頭は、雛をお腹の下に入れ温める抱雛中の飛来雌です。その後は、移動しながら採食する家族、そしては採食を終えて抱雛に入る雛たちです。終盤は、ケージに収容直後の家族の様子です。

これから一か月間にわたり、飛来雌の家族を含めた4ないし5家族のケージ保護がはじまります。

日本のライチョウは、孵化後一ヶ月間の死亡率が高く、その原因は梅雨の悪天候とキツネ、テン等による捕食です。孵化後の雛を悪天候と捕食者から人の手で守ってやる方法として考案されたのがケージ保護です。雛は1ヶ月後には飛べるようになり、また自分で体温維持が可能になりますので、それ以後の死亡は少なくなります。