中央アルプス駒ヶ岳での今年度ケージ保護終了のお知らせ
中央アルプスにライチョウを復活させる環境省事業が2020年度から始まっており、今年で3年目になります。
復活にあたり創始集団となったのは、2018年に約50年ぶりに中央アルプスに飛来して雌1羽と2020年に乗鞍岳でケージ保護した後ヘリで中央アルプス駒ヶ岳に移送した3家族19羽(雌親3羽+雛16羽)を合わせた計20羽です。
昨年の2021年度には、そのうち18羽が繁殖しましたが、今年の2020年度には40羽と2倍以上に順調に増え、中央アルプス全体で繁殖がみられるようになりました。
昨年に続いて今年度も孵化直後の雛を人の手により捕食者と悪天候から守ってやるケージ保護を駒ヶ岳周辺で実施しました。今年のライチョウの孵化時期は、例年より1週間ほど早かったため、例年より早く6月26日から開始し、7月27日までの一か月間実施しました。この間に計7家族を人の手で守ってやった後、すべての家族を先日放鳥し終えました。
今年ケージに収容した7家族の雛の合計は40羽でした。そのうち5羽は残念なことにケージ保護中に死亡し、残り35羽は自分で体温維持が可能となり、ある程度飛べるようになるまでに成長し、無事に放鳥することができました。
後は、自分たちだけで生きて行ってくれることを願うばかりです。
現在、中央アルプスで繁殖しているライチョウのほとんどに足環が装着されています。山でライチョウを見かけたら、足環の色の組み合わせの情報と雛を何羽連れているかの情報をヤマップ又は下記あてにお寄せいただけましたら幸いです。
連絡先:一般財団法人 中村浩志国際鳥類研究所
✉lagopus @hnbiidlabo.org