2024年のケージ保護の準備が整いました

 中央アルプス駒ヶ岳では、風衝地の高山植物が一斉に芽吹いて花をつけ(写真1)、ライチョウの雛がもうすぐ孵化する時期となりました。6月21・22日の両日、ライチョウの巣探しに駒ケ岳を訪れました。

 ケージ保護を予定しているなわばりで巣探しを行い、2日間で4巣を発見できました。そのうちの1巣は、飛来雌の巣です。

写真1 孵化したばかりの雛の餌となる高山植物の新芽と花

 22日9時29分、抱卵中の飛来雌が巣から飛び出し、雄がその後を追ってゆくのを発見でき、雌は21分間採食した後(写真2)、巣に戻り抱卵を続けました(写真3)。

写真2 抱卵中に採食のために巣から出て採食する飛来雌
写真3 背の低いハイマツの中の巣で6卵を抱卵中の飛来雌

 飛来雌の今年の産卵数は6卵でした。2019年の8卵以後、産卵数は減少しています。今年は10歳と高齢ですので、全卵が孵化してくれるかが心配です。雛が孵化したら、家族ごとケージに収容し、雛が飛べるようになり、自分で体温維持可能となるまでの一ヶ月間、他の家族と共に人の手で捕食者と悪天候から守ってやります。

 今年のケージ保護は6月27日から開始し、7月30日まで実施する予定です。この間ケージ保護に携わっていただく方の予定表がまとまりました。今年こそは、ケージに収容した全雛を無事に放鳥できるように頑張りたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。