2024年のケージ保護は7月30日に終了しました
6月27日から始まった中央アルプス駒ヶ岳でのライチョウのケージ保護は、7月30日にすべてを終了しました。今年は、頂上山荘の裏に3ケージを設置し、孵化直後の3家族をケージに収容し、一ヶ月後の7月29日に放鳥しました(写真1・2))。
この日の朝は、天気が良かったので、ケージの前で関係者が記念写真を撮りました(写真3)。
放鳥前日の28日、スタッフが飛来雌の家族のケージ内での様子を動画で撮影しましたので、御覧ください(動画1)。孵化後1ヶ月がたち、雛は大きくなりました。
中央アルプス駒ヶ岳でのケージ保護は今年で4年目になりますが、今年は例年になく梅雨の強風と雨が激しく(写真4・5)、収容した計18羽の雛のうち8羽がケージ保護中に死亡し、放鳥できたのは10羽という厳しい結果となりました。
多くの雛が死亡した原因は、今年の異常な悪天候で、ケージから出せない日が多くあり、ケージにかけたシートが強風で出す音が雛に大きなストレスとなったためと考えられます。
ケージが強風で吹き飛ばされそうになる日が何日もあり、高山の厳しい環境でのケージ保護の限界を今年始めて知ることになりました。
雛には放鳥前にそれぞれ1個の足環を付け、家族ごとの雛の識別ができるようにしました(写真6)。今後は、ケージ保護をしなかった家族の雛も含め、雛の生存状況を追跡調査してゆきます。また、9月に入り、雛が大きくなった段階で捕獲し、色の組合せが異なる4個の足環を左右の足に2個ずつ装着し、個体識別ができるようにします。