火打山と焼岳のライチョウ調査を実施しました

2023年5月8日・9日に火打山の調査を実施しました。

同行いただいたのは宇賀神さんと写真家の大島さんです(写真1)。

初日はあいにくの雨でした。午後に風も弱まり、高谷池ヒュッテから調査に出ると火打山は吹雪で、ライチョウは見つかりませんでした。

写真1 天狗の庭から火打山、影火打、焼山をバックに

翌日は早朝から晴れの天気(写真2)でしたが、山は一面の新雪で覆われていました。

写真2 火打山山頂から焼山、北アルプス北部をバックに

そのおかげで、ライチョウの足跡をたどって計4つがいの雌雄(写真3)と独身の雄1羽の計9羽の生息が確認できました。

写真3 火打山山頂になわばりを持つつがい。この後、雌を捕獲し足環で標識。

再度調査を実施しますが、ここ数年は5つがい(5なわばり)でしたので、つがい数は1つ減り、生息数も減少という結果でした。火打山では2007年以来毎年調査していますが、2009年の18なわばり以来ずっと減少が続いており、今年はなわばり数と生息数ともに過去最も少ない年になりました。なお今回は、隣の焼山の調査は実施しませんでした。

 2023年5月16日は、宇賀神さんと大竹さんに同行いただき、上高地の隣の焼岳に調査に行きました(写真4)。

写真4 ライチョウが繁殖する焼岳の南峰

一日晴れの天気で(写真5・6)、つがいの雌雄2羽の他に雄2羽を確認できました。糞や羽、岩の上の見張り場跡などの痕跡から、今年の焼岳のなわばり数は3(3つがい)と判断しました。焼岳では2012年以後毎年調査していますが、最も多かったのは7なわばりで、今年はこれまでで最も少ない数となりました。

写真5 焼岳 南峰の山頂にて
写真6 南峰山頂からの火口湖と北峰。北峰からは轟音を立て噴煙が吹き上げている。遠方は穂高連峰等の北アルプス山々。

 先月に調査した乗鞍岳でもなわばり数は昨年よりさらに減少しており、その原因は、昨年多くの山で雛がわずかしか育っていないことによると考えられます。昨年の繁殖期の悪天候が影響したようです。今後が心配されます。