ケージ保護した雛の多くが放鳥一ヶ月後も無事であることを確認

 先に報告しましたが、今年の中央アルプスでは孵化直後のライチョウ5家族を一か月間ケージ保護し、7月30日までに計28羽の雛を放鳥しました。

その後、放鳥した雛の生存状況を調査してきましたが、火打山でのイネ科植物除去が終わった後の8月26日~28日に3回目の調査を実施しました。
その結果、放鳥した28羽の雛のうち少なくとも24羽(86%)が放鳥約一ヵ月後も無事であることが確認できました。

ケージ保護した各雌の一ヵ月後の雛の生存状況は以下の通りです。

第1ケージ家族

第1ケージの飛来雌(赤赤・赤赤)の雛は、放鳥時6羽でしたが、一ヶ月後には4羽になっていました(写真1・2)。

ですがもう1羽の雛は、別の家族と一緒で、無事であることが分かりました。

写真1 放鳥後の飛来雌とその雛(左白)。飛来雌は8月19日に4羽の雛を連れていた。
写真2 8月19日に撮影された飛来雌の雛(左赤)。

第2ケージ家族

2021年に中央アルプスで生まれて今年2歳になる第2ケージに収容された雌(空空・黄空)は、放鳥時5羽の雛を連れていましたが、一ヶ月後には3羽に減っていました。

第3ケージ家族

2022年に那須どうぶつ王国で生まれてヘリで駒ケ岳に運ばれ、今年1歳となり繁殖した第3ケージに収容された雌(黒黒・黒赤)は、自分の雛6羽の他に家族に紛れ込んだ第4ケージの雌(空黄・黄赤)の雛1羽の面倒をケージ保護中に引き受けました。

また、先にも報告してように、放鳥の翌日にはさらにこの雌の5羽の雛も引き受け、計12羽の雛を連れた大家族となりました(写真3)。

この大家族の雌が連れている雛数は8月中旬に1羽減り、11羽となりましたが、放鳥から一ヵ月がたった8月下旬でも11羽を連れています。また、途中でいなくなった雛1羽は、その後単独で行動していることが、センサ―カメラで確認されていることから、12羽とも生存していると考えられます。

写真3 計12羽の雛を連れた第3ケージの雌。8月6日の朝撮影。

天狗荘のケージ家族

2021年に中央アルプスで生まれ、この年に茶臼山動物園に降ろされ、翌22年に駒ケ岳に戻された雌(空黒・白黄、写真4)は、放鳥時5羽の雛を連れていましたが、それから1ヶ月後には雛が1羽減り4羽となっていました(写真5)。

写真4 天狗荘のケージに収容された雌。8月27日駒飼ノ池で撮影。
写真5 8月27日駒飼ノ池で確認された雛4羽のうちの2羽(右赤と右白)。

昨年は、放鳥直後に多くの雛がいなくなりましたが、今年は以上のように放鳥後の雛の生存率が高いという嬉しい結果が得られています。

雛は後1ヶ月ほどで母親から独立しますが、それ以後の生存率はさらに高くなります。

1羽でも多くの雛が生き残り、来年繁殖してくれることを願っています。