南アルプス北岳・間ノ岳 秋のライチョウ調査報告
この10月12日~14日の3日間、北岳~間ノ岳のライチョウ調査に行ってきました。同行いただいたのは田中洋典さんと大竹優子さんです(写真1・2)。
3日間とも晴天で、南は伊豆半島の山々から北は北アルプスまで、中部山岳の山をすべて見渡すことができました(写真3)。
天気が良すぎたので、観察できたライチョウは1羽のみでした(写真4)。
ハイマツの下で休む雌をやっと見つけることができました(動画1・2)。
1981年の調査ではこの一帯に63のなわばりがあったのですが、2004年には18なわばりに激減しています。それ以来この地域のなわばり数を毎年調査していますが、その後も減少は続き、2014年には8なわばりまで減少しました。
2015年~19年に北岳山荘近くで実施したケージ保護で、5年間で32なわばりまで回復することができました。しかし、残念なことにその後は減少し、今年の2023年には13なわばりと2019年の半分以下となっています。
減少の原因は、キツネ、テン、チョウゲンボウといった本来高山にいなかった平地の捕食者が今も多く生息していることのようです。
なお、下山した翌日の15日、北岳で初冠雪があり、肩の小屋で積雪5~10㎝とのことでした。これから山は、冬の装いとなります。ライチョウにとっては、一日のほとんどを雪穴で休息して過ごす、年間で最も安全で、心地よい季節となります。